効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■水素の利用促進

水素を使って発電したり動力に使ったりすれば、そのプロセスからはCO2が発生しない。水素を化石燃料や廃棄物から作ると、その原料に含まれているカーボンが副産物や排気の中にCO2としてでるために、水素自体が自動的にグリーン燃料とはならない。しかし、いま世界では再生可能エネルギーからの電気を使って水を電気分解する大規模な設備が建設され始めている。そして、その利用促進策として、自動車、バス、重機、列車の燃料電池駆動の実用化が拡大しつつある。

日本でも、地方公共団体や民間企業に対して、再エネ由来の水素ステーション、または燃料電池産業車両(燃料電池フォークリフト燃料電池バス)の導入を支援する補助金の公募が始まるとのことだ。水素コストの引き下げが今後の市場拡大の要になる。なお、「再エネ水素ステーション」は、水またはバイオマスを用いて製造された水素を供給し、かつその水素が製造される際に要する電力の全量相当分が再生可能エネルギーで賄われている水素ステーションと定義されている。この定義に当てはまるものはまだ多くはないだろう。

地域再エネ水素ステーションの導入には、水素ステーションの新設のほか、既設の設備を移設・増設・改造する場合も補助金交付の対象となる。補助率は3/4、上限額は水素製造能力により1.32億円または2.2億円。

環境省の地域再エネ水素ステーション導入事業で整備された水素ステーションを対象に、施設の保守点検に補助する。補助率は2/3、上限額は220万円。

燃料電池フォークリフトの場合には、一般的なエンジン車と燃料電池車との差額が補助対象金額。補助率は1/2、上限額は550万円/台。

燃料電池バスについては、車両本体価格が補助対象金額で、補助率は1/2。ただし、2018年度までに導入した実績のある団体については、1/3。補助上限額は5775万円/台。なお、2018年度までに導入した実績のある団体については、3850万円/台。

政府も本腰を入れて水素利用を拡大しようとしている。これに対応した水素関連の安全規制の見直しも調べておく必要もあるだろう。

これに今後付け加えるものとして、燃料電池駆動の列車に期待している。ドイツで走り始めたし、英国、フランス、カナダ、米国でもここ2~3年の内に走り始めるだろうが、日本は鉄道電化率が高いことから、着手がしにくいかもしれないのが心配だが、ぜひ実証試験に着手してほしいと思う。