家庭用燃料電池エネファームは発電規模700ワット~750ワットで、排熱回収もして温水として利用するために総合効率は90%近くになる。これが最近新設集合住宅の場合全住居に取り付けられるケースが増えている。その利用の仕方について静岡ガスが、JR三島駅からほど近い12階建ての「シャリエ長泉グランマークス」で興味ある方式を始めている。全世帯に設置されている家庭用燃料電池「エネファーム」の制御盤がIoTでつながっているが、この技術を活用し、日本で初めて電力の世帯間融通を実現した。マンションの電力を制御する計測器が、1分ごとに各家庭の電力使用量を計測している。自分のエネファームの発電能力以上に電力を使い、不足分は電力会社からの電力で補っている家庭を見つけた場合、全戸のエネファームの中でフル稼働していないものに発電を指示し、発電余力のある家庭が「電力不足」の家庭に電力を送る。売電した家庭は収入を得られる利点がある。
このマンションは送電系統から一括受電しているから、その電気料金より安い電気がエネファームで作ることが出来れば、それを買う同じマンションの家族は電気料金を安くすることが出来る。そして、エネファームを自宅の需要以上に発電して、余剰分を同じマンション内で売ることができれば、燃料のガス料金が相対的に安ければ、収入となる。その仲介を静岡ガスがやっているのだ。このマンションの全世帯にスマートメーターが取り付けられているのが鍵を握っている。これによって、1分毎の電気消費量を測定できるため、マンション全体の電気消費量を最低になるようにエネファーム群を制御している。
大阪ガスがエネファーム・タイプSという発電効率の高いものを取り付けて、大阪ガスから電気を買っている場合、余剰電力を買い取っているのと良く似ている。マンション全体にこの方式を応用したようなもので、マンション全体の電力消費を大きく削減することができる。静岡ガスでは、マンション全体でCO2を30%程度削減できているとしている。今後同じマンションではなくとも、エネファーム同士をIoTで結ぶプロジェクトが各地で始まるのではないかと期待している。
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