効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電力融通型マンション

分散型の電源、たとえば太陽光発電燃料電池、蓄電池が普及すると、小さな地域でエネルギー供給を制御できるようになる。これがマイクログリッドと呼ばれるものだが、将来の電力供給の主流に育っていくかも知れない。その一つの事例が、東レ建設が静岡県長泉町に建設中の分譲マンション「シャリエ長泉グランマークス」で、家庭用燃料電池エネファームで発電した電気を世帯間で融通し合う国内初のマンションになる。エネファームは700ワットクラスの小さな発電機だが、家庭での電力需要を見ると、夜は余るが昼には空調を使って需要が発電量を上回ることもあるし、外出したりしていると昼間でもフルに発電する必要もないこともある。一戸建てに取り付けられている場合などには、電気の需要が最大発電量を上回ると不足分を電力会社から購入する必要があるが、シャリエ長泉では発電余力があるマンション内の他の世帯から融通してもらう。システムは静岡ガスパナソニックが開発。各戸の発電余力は静ガスが一度買い取り、電力融通を仲介。電気とガスの両方を提供し、料金請求も一本化する。これより前に確か実証試験をしていたはずだ。売電した世帯はその分だけ光熱費が減る。マンション全体の需要が大きい場合には静ガスが電力を供給することになる。スマートフォンや全戸に配布するタブレット端末で、省エネルギーの状況や光熱費を確認できる。最近戸建て住宅団地でも全戸にエネファームが設置されているものも増えているから、同様のシステムがこれからあちこちで採用されることになるだろう。静岡ガスが新電力事業者として事業を行わけだが、他の地方ガスにとっても魅力的な事業に育つかも知れない。