効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■福島第一原発事故後に続く汚染水への対応

資源エネルギー庁からのメールマガジンにあるメッセージを見ると、燃料デブリを水で冷やし続けるかぎり続く放射性物質を含んだ汚染水の保存量は増え続けるが、それへの対応策が打たれて、汚染水の発生を抑制するさまざまな対策の効果により、発生量は対策前の3分の1ほどに減少しており、2020年内に150トン/日程度まで低減することを目標に、引き続き対策を進めている、という、あたかも汚染水の問題は大きくないと印象づけるような記事が掲載されていた。東日本大震災にともなって発生した福島第一原発の事故では、水素爆発が起こり、原子炉内の燃料が溶け落ちてしまい、今もなおこの原子炉内部に温度の高い状態で残っている。この溶けて固まった燃料は、「燃料デブリ」と呼ばれている。この燃料デブリは常に水をかけて冷却状態を継続しているが、これにより、核燃料に触れることで高い濃度の放射性物質を含んだ一定量の水が生じ、これが、いわゆる「汚染水」。

だが、今日の新聞で報じられた記事によれば、東京電力が、福島第一原子力発電所の敷地で汚染水を浄化処理した処理水が、現状計画のままでは2022年夏頃にも貯蔵の限界に達するとの試算を発表したという。試算では、1日当たり150トン前後の処理水が発生するという条件で、20年末までの増設分も含めた計137万トン分の貯水容量が満杯になる時期を計算した。処理水の貯蔵量はすでに100万トンを超え、処理水をためるタンクも1000基近くに増えている。浄化後の処理水には放射性物質トリチウムが含まれている。長期保管では、外部に放出しないことで新たな風評被害を抑えられる一方、保管場所の確保が難しくなっている。この汚染水を薄めて海に放出することも考えられてきたが、海洋汚染の風評によって、福島の漁業が壊滅するとする強い反対が起きていた。しかし、なし崩しに放出される可能性もあるようだ。数字的には資源エネ庁のものと相違はないが、切迫感の違いは大きい。

汚染水の量を減らすことができれば、保存場所が一杯になる時期を遅らせることはできる。素人考えだが、福島沖に風力発電を建設し、それを利用して水の電気分解をして水素と酸素を作ることができれば、その水素はノンカーボン水素となり利用価値は高い。ただ、この分解で生まれる水素や酸素に放射性物質トリチウムが移行しないような方策を講じなければ、汚染を他に移すだけとなるから、それが技術的に可能かどうかの検討が必要だろう。水素に移動しないとすれば、汚染水の放射性物質濃度は高まるが、水の量は大きく減らすことは出来る。これも一時的な対応策に過ぎないが、海上への放出を避ける対応技術が開発されるまでの時間を稼ぐことができるのではないだろうか。

 

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