効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

福島原発の放射性汚水処理

福島第1原発にたまった高濃度の放射性物質放射能)を含む汚染水の浄化システムが今朝までは順調に稼動し始めたとおもっていた。ところが、1か月に一回取り替えれば済むはずのセシウム吸着装置が、運転開始から5時間ほどで基準を超えるレベルの放射線を出すようになっていることが分かり運転を停止したと東電が発表している。停止は米キュリオン社のセシウム吸着装置内にある箱形設備「スキッド」(縦2.5メートル、横8メートル、高さ3メートル)の表面線量が、内部部品を交換する基準としている毎時4ミリシーベルトを超えたためだという。1カ月のはずが5時間というのは何かがおかしいのではないか。スキッドを取り替えてみて、内部の放射性セシウムが蓄積している量が本当にそれほど多いのか。ここを流れている放射能汚染水の中に含まれているセシウムの量は分かっているはず。何かの誤作動か、誤計測の可能性もある。
いずれにしろ、その間も放射線を帯びた水はどんどん増えている。この浄化装置が順調に動かなければ汚染水が海に漏れ出す時期は遠くない。そうならないように新しい貯水槽を何とか追加しなければならない。廃船予定のオイルタンカーなどを持ってくることはできないか。しかし、海上に汚染水を抱えた船があるのも漏れ出す危険性がないとは言えないし、放射能を帯びた船をどうするかも難題だ。何としても浄化装置が正常に稼動して貰わないと、何事も収まらない。雨が降るだけで放射能を帯びた水の量が水増しされるのだから、少なくともそれを上回る処理が行われなければならない。高度に放射能を帯びたものの取り扱いが難しいことは、六ヶ所村にある使用済み燃料の処理プラントが一向に稼動しないことでも分かる。
順調に汚染処理が始まったとしても、回収した放射性物質をどこかに離隔して長期に保管しなければならないというさらに厄介なことが始まる。半減期が長いものもあるはずだから、半永久的に厳密な管理ができる場所に保管しなければならない。そんな場所、保管装置が準備できるのだろうか。だが、ともかくは浄化装置が何とか動いてほしいもの。