効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■エネルギー消費量8割減

YKKが昨日発表した内容を知って驚くと同時に、エネルギー消費の効率化がこれほど大きなインパクトを与えるのだということを再度学ぶことができた。YKKグループが富山県黒部市で整備した全117戸の住宅団地「パッシブタウン」の省エネ性能評価を発表したのだが、周辺の環境を活用することで冷暖房なしで過ごせる時間を増やし、北陸の一般的な集合住宅よりエネルギー消費量を最大8割以上減らすことができたというものだ。パッシブタウンは設計の異なる3街区で構成され、冷たい地下水が通る配管を壁と床の内側にはわせたり、風の通りやすい窓の配置にしたりしている。YKKAPの高断熱窓も採用して保温性も高めてある。

大学教授などでつくるパッシブタウン性能評価委員会は「窓をはじめとした高い熱性能を持つ建築外皮が快適な住環境とエネルギー性の両立の実現につながっている」と分析したということだ。地下水が通る配管を内装するというには一般的ではないが、この委員会の結論である建築外皮の高断熱性が大きな効果を出していることを確認できたことは嬉しい。付き合いの長いロッキーマウンテン研究所の創立者の一人であるエイモリー・ロビンスがいつも言っているように、建物の断熱性を高めることは、地味ではあるがエネルギー消費を大きく下げることができるという提唱を数字で裏付けてくれたからだ。特に窓ガラスの断熱性の効果が大きいことも示されている。

居住者へのアンケート調査では「冷暖房をする機会がほとんどない」など、7割以上が住まいに満足と回答したということだが、ここで重要なことは、住まいの快適性が維持される、あるいは高まるということだ。エネルギー消費は落ちたが快適性や住みやすさのレベルも落ちたというのでは、建物の断熱を推進することは難しい。快適性を維持するために使われる設備機器も重要だが、設備機器を稼働させる時間が大きく下がれば、エネルギー消費も少なくなる。そして、同じ快適性が維持できるのだから、建物の断熱向上を推進する施策をもっと大幅に推進すべきだろう。

20年近く前に立てた拙宅も、その時に出来る断熱方式を大幅に採用している。その効果もあって、夏に訪問客が玄関に入られると、全館冷房をしているのですか、と尋ねられることが多い。個別の部屋の冷房などもしていない時でも、外からの熱が入りにくくなっている構造にしてあるために、外気温との差が大きく、来訪者はその温度差を感じ取っているのだ。生活様式も違うために他との比較はしていないが、肌で感じるのが外皮の断熱効果の高い建物の快適性は高いということだ。初期コストは高くなるし、それが回収できるたかどうかの結果も確認できないが、全体としての断熱レベルを上げることによるコスト効果は大きいと断言できると思う。

 

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