効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■福島第1原発の炉心溶融機から核燃料取り出し

東京電力は15日、福島第1原子力発電所3号機で、使用済み核燃料プールからの燃料の取り出しを始めたと報じられた。炉心溶融メルトダウン)を起こした1~3号機では初めての取り出しとなる。プール周辺は放射線量が高いため、遠隔操作で約2年かけて取り出す。当初計画から4年以上遅れて動き出したのだが、初めての作業で難航は避けられないだろう。政府の廃炉の工程表では、プールからの燃料搬出と並行して2021年に原子炉内で溶け落ちた核燃料の取り出しを始めることになっている。今回の作業が遅れれば全体に影響することは確実。遠隔操作での取り出しだから、難しい作業となる。

3号機の使用済み核燃料が入ったプールは、炉心溶融と水素爆発を起こした原子炉建屋の上部にある。3号機のプール内には未使用の燃料52体と使用済み燃料514体の計566体が入っている。まずは使用済み燃料より放射線量が低い未使用の燃料から移動させる段取りの最初の工程が開始されたことになる。抜き取り作業をテレビで見たが、瓦礫も落ち込んでいることから、それで燃料棒に損傷が起きないように作業しなければならない。燃料棒に穴でもあいたら、そこで取り出しは停止せざるを得ない。燃料1体あたりの重さは約250キログラムで、輸送容器の重さは燃料を7体入れた状態で50トン弱になる。これをつり上げて横へ移動させるのだが、うまく作業が進んでほしいものだ。

一方、取り出した燃料棒の保管場所は多分臨時に設置されたものであり、これはいずれ処理施設へ送らなければならないが、六ヶ所村にある処理設備自体がトラブル続きで稼働していない。これも今後の原発稼働に大きな影響を与えるものとなる。