効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■有明湾の海苔

 ムツゴロウがいることで知られている有明湾で育つ海苔は、その品質の高さが評価されてきたが、今年はその収穫量が大きく減少していると知った。その原因は、地球温暖化で海水温度が上がり、海苔が育つ限界温度摂氏23度を超える日数が増えたためだと言う。海水温が23度を超えると、海水に溶存する酸素の量が減るために、成長が止まってしまう。これは海苔栽培事業者にとってどうすることもできないことで、解決策はなさそうだ。

 海苔栽培について同時に知ったのが、海苔の品質も落ちているが、それは、有明湾に流れ込む河川の水が綺麗になりすぎて、成長に必要なリンや窒素成分の量が少なくなっているからだという。これは、下水処理場での汚水処理の過程で、この成分が大幅に除去されてしまうからだ。昔から、山から水が流れ出るときに、土の栄養成分を海にもたらすということが良く言われているが、その自然循環が人為的に阻止されているという。リンや窒素成分と言えば、糞尿に起因するものが多いはずだが、川に汚染処理をして戻す過程でその除去の効率が良すぎるのだ。だとすると、汚染処理後の水を川に戻す時に、その成分を必要レベルまで戻してから放流するという方法も考えられる。

 水温と言えば、今年4月11日に書いた琵琶湖の異変が元に戻っていないそうだ。冬に水温が下がると比重が大きくなり湖底に沈み、底の水が上に昇ることによって琵琶湖の全層循環が起こるのだが、これが今年は起きていないことが最近も実証されたと報じられている。長雨で増水するくらいではこの全層循環には至らないのだろう。

 明らかに地球環境が大きく変化している。これを元に戻さなければ地球の生態系が維持できなくなることは確かだろう。人間もその生態系の中に生かされていることをトランプ米大統領は理解していないようだが。