効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■ウナギの完全養殖

このところ日本各地の漁港で、不漁であったり、魚の捕れる時期が大きくずれたりすることが報じられている。さらには、海苔の不作も伝えられている。その原因の主たるものは、海水温の大きな変化にあることはまず間違いないだろう。それへの対応として考えられる一つが養殖。

水産総合研究センター(現・水産研究・教育機構)は2010年4月8日、ウナギを人工的にふ化させて親に育ててから卵を取り出し、さらにふ化させて2代目をつくる「完全養殖」に世界で初めて成功したと発表した。その報道記事では、02年に水産庁養殖研究所(当時)が人工授精の卵から稚魚(シラスウナギ)に育てることに成功。成長した稚魚にホルモン注射を繰り返して成熟させ、人工授精した卵からさらに稚魚を育てた。そして、18年7月、人工養殖した稚魚約300匹を鹿児島県志布志市養殖場に提供したという。成魚まで養殖し、商業化を目指す取り組みだ。完全養殖でウナギの量産が実現すれば、国産ものを安定した価格で入手できると期待を集めているようだ。

日本の食卓に上るウナギのほぼすべてが養殖もの。現在は天然の稚魚を捕獲して育てており、資源の枯渇が懸念されている。ニホンウナギは野生での絶滅の危険性が高い。その稚魚の捕獲が毎年難しくなっていて、養殖を維持することも難しいのが現状。その意味で、完全養殖に成功したというのは、まだ規模は小さいとは言え、大きな成果だろう。

ウナギに止まらず、他の魚についても養殖が拡がっていて、ふぐの養殖も行われるようになっているそうだ。山の中で養殖すると、ふぐの毒がほとんど無くなるようで、新しい商品になる可能性もある。海水中にあるプランクトンを食べないために毒が作られないらしい。

もう少ししたら、自分たちが食べる魚の多くが山でとれるということになるかも知れない。