効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

カーボン・キャプチャー

石炭火力発電からの排気には、石油や天然ガスを使うものよりかなり多いCO2が含まれている。だから石炭火力発電が増えるということは、地球温暖化を促進する効果が高くなるということだ。だから、この排気中からCO2を抜き出す(カーボン・キャプチャー)技術の開発が世界的に進められているのだが、まだまだ実証段階で実用化はかなり先になると言われていた。ところが、IHIが石炭火力発電所から排出される二酸化炭素(CO2)を回収して再利用できる技術を開発したと報じられた。日本の技術が地球温暖化抑制に大きな役割を果たす時期が近いかもしれない。
IHIが開発した技術は、まず空気から窒素を取り除き、石炭を燃やした後に出る排ガスからCO2を回収する。いずれも、低温技術で液状化し、抽出するという。この詳細が知りたいところだ。回収装置を採用すると、発電能力30万キロワットの発電設備の場合で建設費は200億円程度多くかかるが、取り出したCO2と窒素を販売することで、2〜3年で初期投資を回収できるという。回収したCO2と窒素の販売経路をうまく開発できれば、世界で利用されるかもしれない。CO2は石油の生産量を上げるのに圧入するのに利用できる。窒素は肥料を始め、いろいろなものの原材料として今も大量に消費されている。IHIはこの回収装置をまず米国で販売するという。排出規制が厳しくなっているし、回収したCO2と窒素の販売がやりやすいからだろう。もしこれで実績が出れば、中国など大量に石炭を発電に使用せざるを得ない国も採用の方向に向かうと期待できる。
今日は久しぶりに気温が下がったが、あちこちで集中豪雨の被害が出ているようだ。