効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■集光型太陽光発電と水

 集光型太陽光発電は、中東や米国の砂漠地帯で設置されていることの多い設備だが、これまで、これのコストに水が大きく関わっているとは知らなかった。典型的なものは、タワーの上に蒸気発電設備があり、それを取り囲むように設置された反射鏡の光がタワーに集中するように制御され、その太陽熱で水を高圧の水蒸気にしてタービンで発電する。他の方式では、横長の半月型樋のような鏡の焦点部分に水や溶融塩を流して高温にし、その熱で蒸気発電をする。共に水が関わっているが、コストを左右する別の水があることを最近知った。

 反射鏡には時間の経過と共に砂やゴミがくっついて、反射する光の強度が落ちる。それは直に発電量を落とすことになるので、鏡を常時掃除しなければならない。これまでは、定期的に作業員が巡回して水で埃を洗い流していた。ところが、集光型は砂漠地帯に多く設置されているために、その水の確保に大きなコストがかかり、作業員の労務費と合わせると発電コストを押し上げていたのだという。これを解決するための技術開発が最近進められているという記事を最近受け取った。

鏡に埃を拭うワイパーのようなもので、鏡面を傷つけないように動かす方式だ。自動運転させることができるために、水も作業員も必要なくなり、発電コストが大きく下がるのだそうだ。ただ、鏡面を傷つけないと言っても、必要のないところまでこすることになるので、どうしても反射効率が落ちていく。それを防ぐために、鏡面の汚れを探知するシステムが開発され、汚れのついた鏡部分だけを清掃するようにしたようだ。この技術の実証がアフリカで行われ、ここ1~2年の内に大きなプラントにドライクリーナーが設置されるという。これには想定した以上のコスト効果があると期待されているそうだ。