効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■太陽光発電設備の管理制御

 関西電力は、電力線通信で太陽光パネルを監視する技術を持つ東京大学発スタートアップのヒラソル・エナジーに出資することになった。ヒラソル・エナジーは独自の電力通信技術を使って太陽光発電設備をパネル単位で管理するシステムを開発中。これまで、パネルが連なっているストリング単位での管理システムはあったが、異常データが出た場合、どのパネルに問題が発生したかを知るためには、作業員が出かけて確認する必要があった。この新システムでは、パネルに取り付けたセンサーから電圧や温度などのデータを収集し、人工知能AI)で解析する。保守点検の人件費低減や不具合の早期発見につながる効率のよい遠隔監視の仕組みを目指している。

 これまで関電が規模の大きい太陽光発電を自ら建設運用するというケースは少なかったが、これから自ら建設運用する方向に向かうのだろうか。この制御システムが電力線通信で可能になるとすれば、この方式での制御、あるいは出力抑制を新規の太陽光設備について義務づける方向に行き、そのコストを発電事業者に負わせることになれば問題となる。関電がこの方向に向かえば、他の旧大手電力も同じ歩調をとるだろう。その場合、エネ庁も同調する可能性が高い、

 この方式を中東地域などの超大規模太陽光発電で採用させる方向に向かうとすれば、日本の技術貢献度とすれば高いものとなるだろう。海外ではメンテナンス要員の確保も難しいだろうし、新たな管理システムを自ら開発することも難しいからだ。パネルの枚数が大きくなれば、ピンポイントで不具合になったパネルを見つけるにも人手が必要となる。それがほぼなくなるし、電力線通信の採用によって、維持管理コストも大きく引き下げることができる。

 どちらの方向に関電が向かうか興味があるところだ。