効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■ビール用リユースカップ

 アサヒビールパナソニックが、間伐材などの木材から精製したパルプを主原料とした材料を用いて、環境配慮型のリユースカップを共同開発したと発表している。パナソニックがこれを開発したというのには、なぜ、という受取り方が先に来たが、パナソニックの主製品にプラスチックが大量に使われているのだから、環境を配慮しようとする企業として社内技術をこれに向けていたのだろう。同社は2015年からセルロースファイバー樹脂の開発を始め、2018年8月に発売したコードレススティック掃除機の筐体に同材料を採用した。その後、さらなるプラスチック量の削減に向け、天然由来成分の高濃度化と用途拡大についての開発を進め、この度セルロースファイバーを55%以上含有する白色の高濃度セルロースファイバー成形材料の開発に成功したという。

 このカップは、廃棄する際にも紙製品(可燃物)として分類することができ、プラスチックごみの低減にも貢献する。屋外におけるイベントや店頭での持ち帰り用のビール類の提供を想定し、オリジナルリユースカップ「森のタンブラー」として、8月9日から複数のイベントでテスト展開を開始する。その取組みを通じて、会場内でのリユースや記念に持ち帰ることができるカップとして使用してもらい、プラスチックごみの削減効果を検証する予定だとしている。このリユースカップは、パナソニックが独自に開発した植物由来のセルロースファイバーを、55%以上の濃度で混ぜ込んだ樹脂「高濃度セルロースファイバー成形材料」を使用している。アサヒビールによると、セルロースファイバー成形材料がビール用カップに使われるのは世界で初めて。

 この発表記事では、ビールにだけ使用されるという印象を受ける。アサヒビール以外のビール会社のビールにも使えないかもしれない。特殊なブランド商品になっているようだ。また、ビールだけでなく飲料にも広く使えるような方向ではないのが奇妙な感じがする。このところ、プラスチックが非常な悪者になっている。確かに海洋汚染の大きな要因であることは間違いないが、その有用性とコストの評価からすると、その使用後の後処理について、必ず再処理に回されるような社会システムを構築することも必要だろう。これは世界中が対象になるために、柔軟で利用しやすいシステムでなければならないが、プラスチック消費量の多い国に義務づけできるようなシステム開発が必要となる。

 この新素材を使ったカップの価格とこれまで使って来たものの価格が比較されていない。長い目で見れば、コスト要素も重要なのだから、使い回しができる、あるいは、したくなるように仕向けることで、コストが分散されるような使い方の工夫も考えてほしいものだ。

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