効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

炭素繊維プラスチック加工の新技術

炭素繊維プラスチック(CFRP)は炭素繊維に樹脂をしみ込ませて熱加工して造られるが、鉄などの金属より強くて軽く、航空機部品などで利用されている。輸送機器のエネルギー効率は本体の重量に左右されるため、構造材としてできるだけ軽いものを使うが、素材として加工しやすいものでなければならぬという制約がある。さらに、本体が異種の素材で造られているとき、その接合部が剥がれやすいとか、破断しやすいということがないようなものでなければならない。早稲田大学の細井厚志准教授らは、軽くて強い炭素繊維強化プラスチック(CFRP)とアルミニウムを簡単に接合する技術を開発したと報じられている。アルミニウムの表面に針状の微小な突起を作り、熱で溶かしたCFRPが間に入り込みやすくした。自動車や電子機器などの軽量化に役立つ。3年後の実用化を目指すとのこと。これまでは、特殊な接着剤でCFRPと金属を接合させてきたが、その加工に時間がかかっていた。また、既存の接着剤では接合面が平らで、衝撃などで生じた亀裂が周囲に広がりやすい。新技術では、セ氏約300度に加熱したアルミニウムにCFRPを押し当てると、CFRPの樹脂が表面で溶けて突起の間に入り込んで、数分でくっつく。厚さ2ミリメートルのCFRPとアルミの板で試すと、接合面の強度は専用の接着剤と同程度だったという。短時間で材料を接合でき、生産性が高まると同時に、薄い板状でも接合できるので、CFRPと金属を交互に重ねた新材料の開発にも役立つ。自動車産業にも広く採用されるようになる可能性が高い。