効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■電力の個人間売買システム

 電力市場の自由化がここまで行くかという感じのある報道があった。九州大学発の人工知能(AI)スタートアップ企業、チームAIBOD(アイボッド、福岡市)はブロックチェーン(分散型台帳)技術を応用し、家庭で発電した電気などを個人間で売買できるシステムの開発に乗り出すという記事がそれだ。個人は電力区市場での売買価格等について知る機会はないが、価格は需給に応じてAIが試算し、電力会社の送電網などを通じてやり取りする。これは家庭に太陽光発電や蓄電池、電気自動車の蓄電池が普及することで実現するのだろうが、それに個人が関心を持つようになるには、余程魅力的なきっかけを作る必要があるだろう。電力小売り自由化で新電力の参入が相次ぎ、家庭の余剰電力を直接売り買いできるようになる可能性があることに備えるという報道記事だ。

 理屈としてはそのような取引が存在しうるとは言え、それが個人の場合、その個人の判断を左右するのは、どれほど儲かるか助かるかだろうが、それをどのようなインセンティブを準備できるだろうか。理解できない条件設定に対応しなければならないとすれば、それだけで怖気を振るってしまうことになる。既存事業者の行う個人間電力売買は既に存在するから、それとの比較も重要となる。どのように個人取引を成立させるか、新しい法規制も必要になるかも知れない。FIT(固定価格買取制度)の終了する個人発電者の獲得競争の一つだろうが、既に存在する売買が成立する前にシステムが完成すれば良いが、そうでなければ、アイデアだけに終わってしまうのではないかという感じがする。