効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

テスラ・モーターの定置用蓄電池

電気自動車を開発販売するシリコンバレーベンチャーテスラ・モーターズが、驚異的な低価格の定置用蓄電池の販売開始を宣言した。もともとテスラは、パナソニックの製造していたPC用の蓄電池セルを多数重ねることで自動車用として使えるようにしたのだが、家庭やビル、大規模な太陽光発電所などで使える据え置き型の蓄電池を8月にも発売すると発表した。価格が他社製品の半額以下ということだ。テスラ自体が蓄電池の基礎的技術を持っているのではなく、パナソニックに依存している。それが低価格製品を出せるのは、電気自動車用の蓄電池セルを大量生産することを背景に他用途向けのものの価格を下げて相乗効果を出そうとしているのだろう。家庭向けは、一般家庭の1日の消費電力を賄える容量10キロワット時のモデルで、3500ドル(約42万円)。7キロワット時のモデルは3千ドル(約36万円)。米国では業界の標準的な製品の半分以下の価格となるらしい。日本勢と比べても大幅に割安。例えば東芝の製品は容量6.6キロワット時で137万円(補助金制度上の基準価格)。国からの補助金の約50万円を差し引いても、テスラの蓄電池は半値以下となる。同時に発表した太陽光発電やビルの非常電源など業務用の100キロワット時のモデルは、既に電力会社から受注済みという。パナソニックもテスラの後を追った製品発表をするかもしれない。6千億円を投じ、米国内でパナソニックと共同建設中の工場が稼働し始める来年以降、生産ペースを上げる。2020年のフル稼働時には、3分の2を自動車向けに、残りの3分の1を据え置き型の蓄電池や他社への販売分とするということだが、かなりリスクを覚悟した販売政策ではないだろうか。他のメーカーや世界の反応がどうなるか、興味津々。