効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■大阪ガス、タイで太陽光発電進出

 大阪ガスは、タイに太陽光発電の新会社を7月中に設立すると発表している。顧客の工場の屋根などを借り太陽光パネルを置き、発電した電力を15~20年間供給する。3年後をメドに5万キロワット規模の発電能力を確保するというから、本腰を入れた再エネ事業を始めたということだ。新会社OEソーラーは大ガスのシンガポール子会社が49%、タイの太陽光発電会社・エナジープロが51%出資する。バンコクを中心に工場やショッピングセンターに供給する。15~20年の供給終了後は顧客に継続して契約してもらうか、低価格でパネルを買い取ってもらうことを検討している。

 タイでは、タイ発電公社(EGAT)が自社の発電とIPPや近隣諸国からの電力購入によって、首都圏配電公社(MEA)と地方配電公社(PEA)、および大口需要家に供給している。電力輸入をしているのだから、基本的にかなりのリスクがある。工場としても電力供給を自前で確保すると同時に、売電することが事業の安定性に貢献すると考えているはず。2002年、再生可能エネルギーの開発を促進するため、1,000kW以下の再生可能エネルギー発電事業者(VSPP:Very Small Power Producer)に対して、配電会社への売電、および売電料金に対する割増金の支給制度を導入している。

 大阪ガスだけでなく、日本の電力・ガス事業者がアジアや中東で、エネルギー事業に進出している。日本のエネルギー市場の中だけで競争していても、同じパイの奪い合いだけで、今後の発展性は大きくないからだ。中でも大手ガス事業者は、都市ガス供給だけでなく、電力事業やコジェネ事業の経験も重ねている。これは全てアジア諸国に適用できる。政治リスクがあることは確かだが、今後の市場拡大を見据えれば、リスクを計算した上での進出は今後も拡大するだろう。