効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■IOT座布団

 リクルートホールディングスHD)は会議室などの利用状況をリアルタイムで把握できる「IoT座布団」を開発したということだ。形状は通常の座布団と変わらないが、内部に圧力を感知するセンサーが付いている。人が座るとセンサーが作動し、無線でサーバーにデータを送る。3秒に1回の間隔で通信することで、会議室の椅子に人が座り続けているかどうかをリアルタイムで確認できる。まず1847月にリクルートHDの本社が入る大型複合ビルの会議室で利用状況をこの座布団を使って計測してみると、参加者が4人以下の会議が全体の8割を占めており、座席の平均使用率は4割にとどまっていることがわかった。

この結果を受けて12人収容の会議室を廃止。24人用の部屋に衣替えしたところ、着席している座席の割合は1割増えたという。会議室のレイアウト変更と同時にオフィスの執務スペースも見直し、会議室と合わせた面積を従来より30%削減。替わりに社員同士がコミュニケーションを取るスペースや、集中して作業したいときに使う個室などを増やしたということだ。

 このセンサーと発信器を駆動するには小さくても電源が必要となる。電池を使うとその入れ替えなどに手間と時間がかかりすぎる。座布団に座っている人は常時微動もせずにいることはないはずだから、身体を動かすときに発電する圧電素子を使ったのだろうと思う。さらに、これには電波を発信させなければならないが、小さいものだから遠距離にまで電波を飛ばす力がないことを考えれば、その受信装置を各部屋に取り付けることになる。受信機が受けたシグナルを集約して情報を入手することになる。厄介なようだがこのデータの取り方は案外応用範囲が広いかもしれない。

 可能性の一つとして考えたのは、指定席のある列車に指定席券を持たない人が座っていないかは、車掌さんが巡回して確認しているが、発券状況は予め分かっているから、それと対照させれば、ピンポイントで本来空き座席であるところに座っている人がいることは発車の時点で分かる。作業の手間を大きく省くことができるだろう。乗り降りの多い列車でも対応は難しくないはずだ。尻圧でかでなく列車の揺れで発電することもできる。列車毎に受信機があれば良い。

 応用事例が増えれば、このセンサーや発信器のコストも下がるはず。もっと事例を具体的に考えて見ると面白いものに発展するかも知れない。

 

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