効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■三浦工業とCeres Powerが提携

産業用ボイラのトップメーカーとして知られる三浦工業が、英国でユニークな固体酸化物形燃料電池(SOFC)のセルスタックを開発したCeres Powerと提携して4.2kW出力の燃料電池を製品化し、10月から販売を始めることになった。三浦工業2017年から住友精密工業の開発したSOFCスタックを使用した同じ出力のものを製品化していたが、実績を出すことが出来ていなかった。今回のものは住友精密のスタックをCeres Powerのものに置き換えた後継機ということになる。

ほぼ同じ規模のSOFCは京セラが3Wの製品を出していて、細々ながら設置が進んでいる。これから京セラと三浦工業の製品が競争することになると想定される。京セラのものはセラミック製のセルだが、三浦工業のものはCeres Powerが開発したスチールでできたスタックを使っている。量産化技術も開発済みだとされている。これは以前British Gasが商品化しようとしていたが、開発を中止したという経緯があるだけに、今回は三浦工業と組んで世界に進出しようと意気込んでいるはずだ。

これまで、日本の燃料電池技術が欧州に輸出されていたが、この流れが逆転したことになる。日本で成功すれば、欧米では家庭用としても利用できる可能性もある。発電効率50%ほど、熱回収も含めた総合効率は90%という仕様だから、政府の3分の一補助金の対象になる。どのような販売実績を出すか楽しみだ。京セラも対応策を練ることだろう。