三浦工業は英国のCERES Powerが開発したSOFCの技術を導入して新製品を開発していたが、東京ガスがそれに加わっていたとは知らなかった。
東京ガスは3月23日、練馬区社会福祉事業団が運営する田柄特別養護老人ホームに、開発中の超高効率燃料電池システムを設置し実証試験を開始すると発表した。期間は2021年4月から2023年3月までの2年間。実証機は都市ガス(13A)を燃料とし、熱回収システムがない発電のみのもので出力5kW、AC発電効率は65%を達成したシステム。製品外形サイズは幅1m×奥行2m×高さ1.8m。今回の実証では、停電時にも都市ガスが供給されていれば発電を継続できる「自立運転機能」を搭載したシステムについて検証を行う。同システムは、東京ガスと、産業用ボイラメーカーの三浦工業(愛媛県松山市)が共同開発を進めてきた。東京ガスが独自に研究開発を進めていた高効率化技術と、三浦工業がもつ熱・水・環境の技術を融合させることにより、AC発電効率(燃料電池を動作させるためのエネルギーを差し引いた、需要家が利用できる交流送電端ベースの発電効率)65%を達成したという。練馬区は、実証試験の場を提供することで先進技術の開発を支援するとともに、福祉施設への設備導入の可能性(購入電力量やCO2排出量の削減効果、停電時における自立電源の用途等)を検証する。
このシステムにはSOFCスタックが2つに分かれて設置され、一段目で発電した後の排ガスからさらにH2とCOを取り出して二段目のスタックで発電することで効率を高くしている。どうして排熱回収をしてさらに高効率にしなかったのかも知りたいところだ。
三浦工業は数年前にCERES Powerの開発した、セラミックではなく鉄を素材としたセルスタックの技術を導入しているが、自前の力だけでは開発した商品を販売することが難しいことから東京ガスと手を組んだのだろう。この出力クラスでは京セラの3kWが先行している。東京ガスがこの実証結果を検証して、どのような営業戦略を見せるだろうか。
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