効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■SOFC開発の新しい動き

日本ガイシTOTO日本特殊陶業ノリタケカンパニーリミテドが発表したところによると、固体酸化物形燃料電池SOFC)の研究開発に携わる共同出資会社を設立することになったようだ。全部がセラミック関係の企業で、かなり昔からセラミックを素材とするSOFCのセル開発をしていたが、泣かず飛ばずの状態でこれまで来たのが不思議に思っていた。また、この4社は森村グループに属する企業だということも知らなかったが、4社が技術を持ち寄って開発を成功させようと力を集約することになったようだ。新会社は今年の12月1日に設立される予定になっているということだが、これだけ早期に計画を発表したのは、何か意味があるのだろう。日本特殊陶業の小牧工場(愛知県小牧市)内に事業所を置き、SOFCの研究開発から製造、販売までを手掛けることになっている。

SOFCは家庭用燃料電池であるエネファームータイプSとして既に商品化されているが、中核部分であるセルスタックは京セラが開発製造している。そして、システムとして組み上げているのはアイシン精機大阪ガスも関連技術の提供と市場開発を担当している。発電効率が50%を超え、熱回収も行った総合効率が90%前後と高いことから、政府も市場開拓に補助策を講じている。京セラは一昨年から3kWの業務用も商品化しており、設置数も増えている。また、4.2kWのものを三浦工業が商品化しているし、100kW級は三菱日立パワーシステムも販売に着手している。20kW級は日立造船が開発したし、富士電機デンソーも商品化間近となっている。このように既にいろいろな規模のものが商品化されている市場に新規参入するには少し手遅れという感じもないではないが、将来の潜在市場の大きさを考慮してまだ参入余地があると判断したのだろう。しかし、他社にあまり遅れての開発では成功は期待できないから、具体的なスペックを早く打ち出すべきだろう。