効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■川崎重工業が水素液化装置を商用化

川重は、永年天然ガスの液化機や貯蔵タンクの製造を手がけてきて、極低温に関連する技術を持っている。その技術を応用して、国内メーカーで初となる水素を液化する設備の商用化に2020年をめどに乗り出すということだ。オーストラリアの褐炭を原料にして水素を製造するプロジェクトが具体化しつつあるが、これほど早く液化が具体化するとは思っていなかった。

水素の効率的な輸送ができ貯蔵も含めた供給網を整えられれば、水素を使う燃料電池車(FCV)や水素ステーションの拡大や、水素をつかった発電など利用機会が広げられる。NEEDOも再エネを使って水電解で水素を作る技術の実証をしているから、国内でも水素輸送のニーズは大きくなることは確かだろう。水素はセ氏マイナス253度に冷やして液化すれば体積を800分の1にでき、一度に大量の輸送が可能になる。海外から輸入するのには、LNG船と同じような液化水素輸送船が必要となるが、この技術を持つところは世界でも多くはないはずだ。

日本が世界に貢献できる技術に育つのではなかろうか。

水素をバイオマス由来の炭素と化合させてメタンを作れば、天然ガスの主成分だから、高圧天然ガス幹線に混入することもできる。同社は従来と比べて液化の効率を2割弱向上させ、液化できる量も日量5トンから5倍の同25トンにまで増やせる試作機を開発。耐久性テストなどを経て外部販売を始めるという。水素社会は意外に早くやってくるのかも知れない。