効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■再エネ電源から無線給電

新電力のみんな電力(東京・世田谷)は、無線で電力を送受信するサービスの実現に取り組むと報じられている。こうしたサービスには、多重の送受信に正確に対応でき、かつ、十分なセキュリティーの確保が必須になる。この技術コンセプトの検証に向けた研究開発を京都大学と共同で始めたようだ。すでに、関連する特許を共同で出願している。

充電を必要とするものが、携帯機器、電気自動車(EV)、ドローン(小型無人機)など機器が移動するものの場合でも、移動中に電力の送信先や受信元を変えながら、適切に給電を実現できるようになる。いまの携帯電話が発信基地を移動に伴って切り替えるのと同じ方式だろう。EVやドローンにとっても、国内の各地に点在している太陽光発電所を充電所として活用できれば、走行や飛行の距離や時間の制約を超えた利用が可能となる。分散型電源が、こうした移動型電動機器の広範な普及に貢献できる。

みんな電力と共同研究に取り組むのは、京大大学院情報学研究科の梅野健教授。同教授の技術を基に、多対多の間で無線によって送受信される電力に符号を乗せる。この符号には、暗号だけでなく 給電元、給電先、給電量、電力の由来、取引価格、電力選択の優先順位付けなどの取引情報を付加する。これによって、無線による給電の取引や決済まで可能となる。電力に付加した暗号は、指定された給電先だけが復号できるようにすることで、空中を飛び交う多数の電力による「混信」や、セキュリティーの問題を回避できるという。

この報道には述べられていないのだが、少なからず気がかりなことがある。充電できるだけ強い電波が幾つも飛び交うようになるのだが、将来どこへ行っても高いエネルギーを持った多様な電波に身をさらすことになる人間が、気づかぬうちになんらかの被害を受けるということにはならないだろうか。携帯電話の電波についても安全性について問題視されてきたが、その電波とは比較にならないほど強力な電波にいつも身をさらすようになる。無線給電の話が出る度に思うことだが、生物への影響をまず調べて、安全性の確認を十分にした上で実施してほしいものだ。スマートメーターからの電波について文句を言う人達はどう思っているのだろうか。桁違いに大きな出力の電波が発信されているのだから。