効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■揚水発電

米国のエネルギー省が、揚水発電の新技術とコスト低減に向けた開発資金を出すようになったということを知って、日本ではどのようになっているかが気になった。というのは、九州電力太陽光発電の抑制が、土日以外の日にも頻繁に行われるようになったからだ。エネルギー消費の効率化で需要が伸びなくなっていることもあるだろう。折角の天の恵を捨ててしまわないために、その電力をどこかで使えるようにすれば良いのだが、それも限界になると、揚水発電で下の池の水を上の池に汲み上げるのに電力を消費し、需要が増えてくる、あるいは、太陽光発電量が少なくなると、その上に上げた水を落下させて水力発電させて需要に対応する。揚水発電はもともと一定発電をする原発の電力が夜には余るのを消費するためのものだったが、止まっている原発が多いために、その目的が太陽光などで発生する余剰分を吸収するのに使われている。

日本には44カ所に揚水発電設備があり、その合計出力は2,700万キロワット。全国に分布している。揚水発電は、水を汲み上げるときの電力損失が大きいために、全体としての発電コストは高くなるのが課題。それを前提として米国が新しい開発を始めたということは、長い目で見た蓄電設備としての機能を増強しようとしているのだろう。日本の揚水発電は殆どが固定ピッチの水力タービン羽根を使っているために、柔軟性が少ない。米国もここに着目して可変ピッチのタービンの新技術開発もテーマに上がっている。また、通常の水力発電設備の一部を揚水発電に改造することも課題に入っている。日本でも水路を新規に発電所にするのは無理だから、既存のものの揚水化も考える必要があるのだろう。