効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■新しい年号

新しい年号が令和と決まった。出典が万葉集だというのは、これまでの中国古典からのものが殆どだったのを変えたという意味では同意できる。有識者会議に始まった一連の会合をずっとテレビ番組で見ていたが、合意形成の過程を踏んだという仮想プロセスの一つだ。平成を振り返ると、その始まりの時にはロンドンに駐在していて、ベルリンの壁の崩壊の方が時代の変化を感じさせてくれた。その後、東日本大震災が招いた原発事故が、世界のエネルギー市場に与えた影響は大きい。情報化の進展も平成を特徴付けるものだろう。環境問題への取り組みが進んだのが平成だ。今回の新しい年号が時代の流れに一つの区切りを作ることになったが、どのような時代を表象するものになるだろうか。人間が次第に自分の意思で物事を制御できなくなっている中で、人間というものを中心に置いた社会を形成する時代が生まれてほしいと思う。

これから暫く、情報システムに関係するものが、年号の変更に伴うトラブルで、意外な作動をする可能性がある。特に国や自治体が年号を使っているから、今回は準備期間が長かったとは言え、その変更が原因でシステムがうまく動かないことがあるかもしれない。ボーイングの新鋭機が墜落したように、プログラムのほんの一部修正が出来ていないことを誰も気づかなかったために、公的認証が必要な書類が発行できなくなるようなことが起きるかも知れない。プログラムの修正にもプログラムが使われるから、思いもかけないところにバグがひそんでいる可能性はゼロではない。それが致命的なものでないことを願うしかない。電力、ガスの料金請求のプロセスの基本部分などは多分年号は使っていないとは思うが、消費者との接点では年号を使うことは多いと思う。その修正は全体のシステムの僅かな部分だが、変なところに飛び火しないとは言えない。個人情報の面でも、トラブルの起きるのを避けられないかも知れない。

情報化社会の負の側面だが、新しい年号の時代には、この負の側面ができるだけ深刻な問題とならないように社会全体が取り組む必要が高まると思う。デジタル情報に振り舞わされないで穏やかに過ごせる時代になってほしい。