EUがサマータイム(デイライトセイビングタイムともいう)の廃止の方向に向かっていると報じられている。サマータイムは米国でも行われているから、先進諸国が採用しているとも言えたのだが、もしEUが廃止を決定すれば、米国も見直しをするかもしれない。その制度は最初1916年代にドイツなどから採用されたのだが、不評で一時廃止になり、その後第二次大戦中に資源節約の意味で制度化されたらしい。米国ではハワイ州はサマータイムを採用していない。自分も経験したが、この変更の時期には、飛行機の出発時刻などが混乱するなど、いろいろ社会的な不具合が起きる。ただ、この制度が導入された頃には、いまのようなIT時代ではなかったから、目に見える時刻を変えれば良かった。しかし、日本で二年後の夏に開催されるオリンピックに向けて、サマータームを提案していると聞いたときには、驚くだけでなく、ITシステムが時間で制御されている部分が大幅にあるから、そのシステムの修正だけでも大変なことになるから、実施は無理だと思った。あまりにもご都合主義に過ぎる。オリンピック対応だとすれば、全体の競技プログラムの中でも、屋外競技の時間を1〜2時間早めれば済むことで、それに付随して交通機関などの予定を変更すれば良いはずだ。EUが廃止の方向に決定しても、加盟国全体がそのように動くとは限らないが、おそらく全部が揃って廃止するだろうと思う。欧米ではサマータイムはITシステムの中に組み込まれているから修正はやりやすい。日本では絶対に導入すべきではないし、導入するとすれば、数年の準備期間が必要だろう。オリンピック委員会の都合に合わせるのは懲罰物だ。いまからでも秋の開催を検討しても良いだろう。たとえ米国報道機関からのスポンサー資金が少なくなるとしても、人命に関わることだから、無理筋の話ではなかろう。