効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■炭酸ガスから化学品の原料製造

 

 

石炭や石油などの化石燃料を使った火力発電所からの燃焼排ガスには大量の炭酸ガスが含まれている。その炭酸ガスを何らかの方法で捕捉して有形のものに変化させて、化学品の原料に出来なければ、地中に埋める方法で大気中に放散しないようにする技術、カーボンキャプチャー、の開発が地球温暖化を防止するために必須のものとして開発が進められているが、まだ成熟した技術にはなっていない。炭酸ガスの量が少なければ吸収する方法はいくつもあるが、高温で大量の排ガス中から炭酸ガス、あるいは、炭素だけを取り出すのは難しい。

 

それに対応することができるかどうかは分からないが、東芝が火力発電所などで排出される二酸化炭素CO2)から化学品の原料を高効率で作る技術を開発したと発表している。太陽光といった再生可能エネルギーの電力を利用して、プラスチックなどの原料になる一酸化炭素CO)へ変換するものだという。新技術は自動車などに使う固体高分子型燃料電池PEFC)に使う電極を改良したものだというが、大量の排ガスを相手に出来るのだろうか。PEFCの電極の一部に金の微粒子を使ってCO2COに変換する。従来は液体に溶かしたCO2を使っていたが、気体のままで反応できるのが味噌のようだ。小型プラントの建設が実現できる効率だという。新技術を応用すれば火力発電所やセメント工場からCO2を回収してCOに変換した後、プラスチックやガソリンなどの生産につながるということだが、地球温暖化防止の効果が出るくらいの量に対応できるのかどうかは分からない。CO2を吸収液を使わずガス体のままでCOにできるのは希望が持てるが、量的にはどの程度まで将来拡充できるのだろうか。火力発電所から排出されるCO2の限られた比率の量に対応できるのでは雀の涙ほどの効果しか生まれない。今後の規模拡大に期待したい。