九州電力は5日、太陽光発電などの再生可能エネルギー事業者に一時的な発電停止を求める「出力制御」を実施した。離島以外で出力制御したのは12回目。平日としては初めて。事前の指示で最大制御量は79万キロワットとしていた。
平日としては初めてということだが、電力需要の動向によっては、平日の出力制御がこれから頻繁になることが予想される。電力消費の効率化が進展していることから、電力需要の伸びは小さくなることは確実であるし、これから日射時間も長く、また昼間の日射量も大きくなって太陽光発電の発電量が大きくなることは確かだからだ。
NPO法人環境エネルギー政策研究所が最近発表している九州電力の電力需要とそれへの対応電源の推移を示すチャートを見ると、(ただし、最近のものはないので昨年末頃のもの)どの時間帯を見ても原子力発電は常に一定の発電量を維持している。原子力発電も発電時にCO2を排出しないということから、国の指針によると抑制は太陽光発電の方が早く出来るようになっては居るが、太陽光発電の出力制御は避けられないとしても、その量を大きくしないように原子力発電の稼働を20%ほど下げることは出来ないのだろうか。ただ、原発の出力抑制には柔軟性がないために、前日から抑制の準備に入らないとならないだろう。しかし、今後のことを考えれば、その方式の可能性も試行しておく必要があると思う。
さらに言えば、九州電力は再エネ発電の出力抑制を少なくするために、どのような対応を今後するつもりなのかを具体的に示すべきだろう。少し時間はかかるかも知れないが、DSM(需要の制御)、蓄電池や水素製造によるものなどの蓄電など、将来に向けた計画策定をして、再エネをできるだけ利用できるような制御方式を開発してほしいものだ。