効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■奈良県のエネルギービジョン

エネルギー関連の会合で、奈良県が新しく設定した第3次奈良県エネルギービジョンの具体的な内容を知る機会があった。この中で重視されている施策として新しく上げられているのは、「再生可能エネルギーを活用した地域コミュニティの活性化」、「大規模災害に備えた緊急時のエネルギー対策の強化」、「水素自動車普及への対応」の3項目だった。

今回の計画期間は2019年度から2021年度までの3カ年で、基本目標として、再生可能エネルギーによる電力自給率を、2017年度の20.3%から、2021年度までに22.0%にする(大規模水力発電を含む)が示されている。国のエネルギー基本計画で2030年度の電源構成(エネルギーミックス)での再生可能エネルギーの割合が22~24%になっているのを目安にして、国より2~3年程度前倒しにして、奈良県の再エネによる電力自給率24%を目指した値に設定したものだとしている。この導入促進が地域の活性化に繋がるようなプロジェクトを具体化するのはなかなか難しいことだろう。

この他に、具体的な導入数についても示していて、再エネ設備容量を2017年度比1.3倍(448,929kW->2021年に584,000kW)、太陽熱利用システム導入件数を3,803件から4,000件に、エネファームの導入件数を6,198件から13,000件へ(6,802件増)、事業所用コージェネの導入容量を78,432kW->79,000kW(567kW増)となっている。コージェネの設置容量が小さいのが気になるが、都市開発が大きく進んでいないのだから仕方がないのかもしれない。この他に、廃棄物のエネルギー利用としてゴミ焼却での廃棄物発電を示しているが、奈良市のゴミ処理場なども対象になるのだろう。奈良県には燃料電池自動車用の水素充填設備がまだないことも分かった。

これらの数字がどのように毎年進展していくかをチェックする必要があるだろう。