効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■丸太を燃料にして発電

丸太を燃やして発電する全国でも珍しい丸太を乾燥処理もせずにボイラーに投入する木質バイオマス発電所が、三重県大紀町滝原の公園跡地に建設されると報じられたのを知って驚かされた。県内のベンチャー企業が手がけ、夏頃に着工し、来春にも「滝原丸太発電所」として稼働させる計画だとされ、チップ用より高値で丸太を買い取る予定で、地元関係者は低迷する林業の活性化を期待しているとのこと。 

この発電所では、長さ約2メートル以内の丸太を、水分を含んだまま燃やすという。林野庁によると、バイオマス発電の燃料は木材チップが8割以上を占めるが、原木となる丸太の乾燥やチップ製造にコストがかかるため、丸太の買い取り価格は抑えられてきた。丸太の原木を今よりも高く買ってくれるとすれば、林業にとって非常に魅力的なプロジェクトになる。出力は1,990kWで、建設、運営は丸太を燃料とするボイラーシステムを開発したベンチャー企業「レッツ」(三重県桑名市)が担当。資金面はLPガス販売の「マルエイ」(岐阜市)が支援する。

これだけの規模の発電設備だから、年間原木消費量はかなり大きくなるだろう。これを継続して安定供給する体制を構築しておかないと、事業として安定操業するのが難しくなる。最初は近辺の森林から調達できるだろうが、樹木は再生年数が永いから、次第に遠方の樹木を原木として調達することになる。これで森林環境の維持がうまくできるのだろうか。

また木質バイオマスを使うと、燃焼後に灰やタールが残り、その処理にコストがかかることになる。この報道記事では、乾燥させない原木利用でも高温で燃焼させることができるとしているが、残渣がどうなるかについては触れていない。事業計画の中には残渣処理も当然組み込まれているはずだが、その辺りをいつか調べて見たい。