効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■北海道の風力発電に蓄電池設置義務なくなる

北海道エリアは風況が良く、風力発電等の再エネ電源のポテンシャルの大きなエリアであり、2022年2月時点での再エネ接続量は、太陽光214万kW、風力58万kWとなっている。他方、電力の最大需要は500万kW程度、年間平均でも300万kW程度と北海道電力管内の需要規模は小さい。そのため、需給バランス制約による再エネ出力制御が起こりやすいほか、再エネ電源の出力変動に対応するための調整力確保の観点から、再エネ導入拡大に向けた課題も存在する。

そのため北海道電力は2013年に独自の系統接続条件を定め、変動性再エネ(風力・太陽光)に対して出力変動緩和要件を設定し、実質的に蓄電池の併設を求めてきた。しかし大容量蓄電池は高額であり、再エネ発電事業の採算性を悪化させることから、出力変動緩和要件は再エネ導入の阻害要因となる可能性が高い。このため資源エネルギー庁は、この要件撤廃に向けて検討を進めてきたが、このほど2023年7月以降に接続検討の受付を行う新規電源については、変動緩和要件を求めないという結論が示されたと報じられている。

この背景には、北海道と本州を結ぶ連系線の容量が90万kWと小さいために、快晴で風がよく吹くときなどには、火力発電の出力を絞っても余剰電力が発生し、余剰分を電力大消費地の東京地域へ逃がそうとしても、それができなかった。その余剰発生の原因となる電源に、余剰分を蓄電させて送電系統の擾乱を避けてきたのだった。

だが、気候変動対応として、日本も再生可能エネルギーの増強をしなくてはならない。増強を阻害する要因を取り除く必要があることから、この蓄電池設置要件が見直されたのだ。風力発電の追加導入が200万kW程度であれば、調整力不足の発生は、火力並列台数が少なくなる軽負荷期(春・秋)の昼間帯に限られるが、風力追加導入が300万kWを超えると、季節や時間帯に関係なく調整力不足が発生することが予想される。北海道エリアでは、2022年5月に初の再エネ出力制御が実施されたが、今後の再エネ接続量の増加に伴い、出力制御の発生頻度は高まるものと予想される。石油・ガス火力発電からの出力を調整する必要性が大きくなるが、再エネ側にも出力調整が必要となる。蓄電池設置要件が撤廃されれば、再エネの設置コストは下がるために変動性再エネの設置量は増加するだろう。北海道内の系統管理の調整力増強が求められることになる。

 

 

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