出力変動の予測が難しい、あるいは、昼間しか発電しない再生可能エネルギーの利用を促進し、同時に出力変動を吸収することで電力系統を安定化するのに貢献するシステムとして、水をこの再エネ発電からの電気で電気分解し、水素として保存し、必要な時にこれを燃料電池に供給して発電する方式が普及するかに見えているが、自分はこの水から水素を得る収率がどれくらいかを知りたかった。電解設備のコストもあるが、収率によってこのシステムの評価が左右されるからだ。
今日、米国から、今月分かったことという趣旨の情報を受け取ったが、それが具体的な数字を示してくれた。これによると、米国再生可能エネルギー研究所が、2016年の段階で、それまでの18年間太陽光発電を使った水電解(STH:Solar to Hydrogen)の変換効率が12%であったものを16.2%に引き上げることができたという。米国エネルギー省が目標としている25%に一歩近づいたとも報じている。DOE燃料電池技術室がこのプロジェクトに資金を出していて、この目標達成に向けた技術開発が推進されている、という内容だった。
日本で開発されている太陽光発電を利用した水電解水素製造システムも収率もこれでおおよその推察をつけることができる。水素のコストは、この電解設備の耐久性を勘案しながらkW換算すれば分かる。燃料電池のコストは、家庭用のエネファームの設置が進展する中でかなり下がっているから、鍵となるのは電解設備だ。東芝やホンダがこのシステムを開発しているから、コストも公表されているかも知れない。どこで分かるだろうか。