効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■ノルウェーと水素

ノルウェーは人口が520万ほどで大阪府より小さいが、国土は広い。しかも、漁業も盛んだし、北海の油田、ガス田を保有し、世界第2位の天然ガス輸出国,世界第7位の石油輸出国に位置づけられる。EUには加盟していない。エネルギーの輸出国であると同時に、消費する電力の95%が水力発電からのもので、水力資源の開発余力はまだ残っている。そのお陰でもないが、原子力発電は持っていない。国民の環境意識は極めて高く、電気自動車や燃料電池自動車の導入も進んでいる。

豊富な水力発電を利用して水素を作り、化学原料にもしているということを資料で知ったが、これは、水素の製造コストがかなり低いことを意味しているだろう。この水素は水の電気分解で得られるのだが、これにコスト競争力があって商用化されているということを初めて知った。日本や米国、EUでは、規模の大きい水電解の実用化が推進されているが、ノルウェーは水素の輸出を計画しているらしい。その対象には日本も入っている。液化して船で運ぶのだが、地球温暖化のために北極海の氷が溶けているために、日本との輸送距離も小さくなっていることが極めて有利となるはずだ。

燃料電池自動車の弱点である水素ステーションの数についても、現在5カ所であるのを今後増強する方針が出されている。2025年以降、販売される乗用車は全てゼロエミッションにしなければならないことから、燃料電池自動車も普及するだろう。電気自動車の走行距離を伸ばすために燃料電池を利用する方式も普及するはずだ。

ここ数年、小型船舶の電動化、燃料電池駆動化が進展しているようだ。これまでにも、ディーゼル、あるいはLNGを発電に使って走る船舶が普及してきたようだが、これが今後急速に燃料電池に置き換わる可能性が高い。

日本にもいろいろ参考になる事例があるようで、もう少し詳細に調べてみることにする。