効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■業務用3kW燃料電池の今後

昨年登場した、3kWという業務用規模の発電能力を持ち、排熱回収もする固体酸化物型燃料電池SOFC)が急速に普及するかと期待していたのだが、2018年度の販売実績は多分20ユニットに届かないだろう。京セラの製品だが、どの設置先もまずテストをするという段階だったようだ。ただ、設置先の多くがレストランチェーンで、コストと効率化などの兼ね合いの実績にある程度の満足できるデータが出ると、系列のレストランに設置される方向に向かうのではないかと感じている。

ファミリーレストランには、5kWクラスのガスエンジン・コージェネが設置されているところが多いが、それが取り換え時期に入っているものが多いのも促進要因となる。発電効率が50%を超えていて高く、排熱回収をすると90%ほどの総合効率を出すし、排ガスもエンジンよりはるかに環境汚染レベルが低いから、企業イメージを上げるためにも設置が前向きに進むだろう。業務用燃料電池に向けた国の補助金があるほかに、地方自治体によっては効率の高いコージェネに対する補助金を準備しているところもあることも、推進力になっているようだ。

コンビニに設置されているものもあるが、ここは給湯需要が殆どないために、排熱回収機能の作動を止めているところもあるらしい。発電効率の高さだけを評価するのだが、排熱回収部分で消費される電力が減るから発電効率は結果として上がることになる。

3kWSOFCは京セラの開発したものだが、家庭用のSOFC700Wエネファームのモジュールを4つ重ねることで出力を大きくしている。ということは、両方の販売量が上がれば、セルスタックの量産効果で双方について目に見えるコストダウンが可能となり、燃料電池市場の拡大効果も生まれることになる。また、一つの地域にファミリーレストランが幾つか集まっているケースは多いが、そこにこれが複数設置されると、停電時にも一定の運転をして照明などを維持できるから、地域の災害拠点としての評価も生まれるだろう。今後の市場拡大に期待したい。