効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

バイオガスを都市ガスに

東京ガス大阪ガスが、バイオガスを精製して都市ガスとして受け入れる実証試験を始めた。前者は食品残渣、後者は下水処理場の廃棄物である汚泥、をメタン発酵させてガス化する。それだけでは都市ガスに使うには熱量も不足し燃焼速度などもガス機器に適していないので、メタン成分を濃縮したり調整ガスを入れたりして、都市ガス成分と同じにしなければならない。それには当然コストもかかるから、昔であればこのような利用は都市ガスのパイプには連結しないで利用されるのだったが、今では都市ガスにも一定の再生可能エネルギーを使わなければならなくなっているために、積極的に技術開発をするようになったものだ。一般の人にとって見れば、ガスはガス、どうして都市ガスに使えないのかという反応が出る。しかし、特に日本の都市ガス組成は厳しい規格があって、それを前提にガス機器は設計されているから、組成が大きく変動すると不完全燃焼を起こしたりして危険になる。日本で使っている電気器具(100ボルト仕様)をそのまま英国(240ボルト)に持って行けば、一発で故障するのと同じことだ。今の時点ではバイオガスを都市ガスにする受け入れコストは大きいとは言っても、量が少ないので試験費としても全体から見ると無視できるだろう。しかし、次第にこのような処理へのニーズが高まると、できるだけコストに響かない方法を開発しなければならないはずだ。バイオガスをそのまま使って発電と熱発生に使う方が良いのかもしれないが、都市ガスも再生可能エネルギーを利用する義務づけが大きくなるだろうから、そうは言っておられないのかもしれない。