効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■AI利用で配達空振りを大幅に減らす

いま宅配業界は絶対的な人手不足だが、それに輪をかけるのが配達しても不在であることで、再配達という余計な人手がかかることも負担になる。これをAI技術の利用で解決しようとする試みがなされているそうだ。人工知能(AI)を使った経路指示など、軒先までの「ラストワンマイル」の配送効率を上げる。

2018年9~10月、東京大学本郷キャンパス構内の約30カ所を届け先に設定。これらを対象に配達を20回繰り返したところ、高い確率で渡すことができた。運転手のスマートフォンスマホ)の画面に不在とみられる届け先を外した配送経路が示されたからだ。予測の手掛かりとなるのがスマートメーター(次世代電力計)のデータ。17年1月設立のNextDrive(ネクストドライブ)が開発した通信機器を届け先のスマートメーターに取り付け、電力使用量を取得。使用量から人が室内にいるかどうかを予測する。通信機器の設置やデータの利用は家庭の了解を得れば可能だそうだ。運転手が目にするのは配送順で、電力使用量や不在先は示さない。実験に協力した東大大学院の越塚登教授は「AIを挟むことでプライバシーが守れる」と解説する。

一見素晴らしい効率化のように見えるが、スマートメーターは30分毎に電気の使用量を無線で発信しているので、それを許可なく入手することは、現在のデータ処理技術から見るとそれほど難しい話ではない。だから、今後この手法を盗用して、電気がほとんど消費されていないところは不在だと確認できることになり、泥棒に入るというような利用のされ方がされるかも知れない。スマートメーターから発信されるデータが簡単に読み取れないような処理をして、暗証番号を使わないと読み取れないようにすることもできないことはないだろうが、既に40%ほどの需要家にスマートメーターが取り付け済みであることから見ると、実行するにはコストがかかり過ぎる。

AIは現時点で前向きの捉え方がされすぎているように思っている。例えば、AIスピーカーに話しかけたら返事をしてくれるというのも、これがネットを経由して会話していることを考えると、独り言や家族の間の話も全てこのスピーカーは聞き取ってネットでデータとして解析されているはずだから、個人情報が簡単に外部に把握されている可能性もあり、それに基づいた商品の売り込みなどが行われるかも知れない。壁に耳あり以上に警戒する必要が生まれる社会になると思っている。