効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

鉄道の電力消費管理

JR東日本は、ビッグデータを使って列車運行や駅に必要な電力を予測する取り組みを始めると報じられている。ビッグデータと言えば、電力市場の自由化に備えて設置されるスマートメーターから電力会社に30分ごとに送られる電力消費データもそうだ。だが、鉄道が消費する電力は膨大だし、時間帯で大きく変動する。それによって発電所の稼働も大きな影響を受ける。天気予報や沿線のイベント情報といった外部データを収集し、運行ダイヤなどの自社データと掛け合わせて分析することで省エネにつなげるということで、2017年度中に試作システムを完成させる計画だ。電力を大量に使う鉄道会社は自社で発電設備を持つと同時に、大手電力などの大口顧客でもある。JR東日本の場合、2014年は約58.2億キロワット時の電力を消費し、そのうち32.7億キロワット時を自社の水力・火力発電でまかない、残りを外部から購入した。自社保有する発電設備も半端ではない。同社では現在、専門の担当者が1日に必要な電力量を予測し、自社電源の発電量と電力会社からの調達量を決めている。この予測が外れると、朝夕のラッシュ時などに電力会社から契約電力量を超えた割高な電力を購入することになる。ビッグデータ分析でこうした「ハズレ」を大幅に減らす考えだ。このシステム作りは簡単な話ではないだろうが、それがうまく完成したときには大きなコストダウンにつながることになる。また、そのシステムを同業他社や海外に販売することも可能となるかもしれない。