効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■ニューヨーク州が意欲的なカーボンフリー計画

カリフォルニア州がカーボンフリーに向けて意欲的な目標を出しているが、同州の電力・ガス事業PG&Eが、山火事の原因を作ったとして大規模な訴訟が起こされ、破産法チャプター11を申請したことから、再エネの導入が停滞する可能性が高いとされている。

そのタイミングを狙ったわけではないだろうが、ニューヨーク州のクオモ知事が、今年に入ってすぐ、グレイト・ニューディールと名付けたエネルギー政策を発表している。それによれば、2040年迄に電力をカーボンフリーにするとしていうことだ。

これはいわばトランプ大統領の環境対応を無視しようとする施策に対抗しようとするものらしい。そして、この新しい方針に対応して、いろいろな動きが州内で始まっている。ニューヨーク・パワー・オーソリティが290メガワットの風力発電を20年間の契約で調達することを決定し、こんごさらに規模を拡大するとしている。このプロジェクトは州内のSteuben Countyで来年末までに運用が始まるとのこと。

さらに、NYSERDA(ニューヨークのクリーンエネルギー推進機構)が9ギガワットの洋上風力発電2035年までに建設するという発表もなされた。これから2年をかけて風況調査などを行った後に着工する計画になっている。さらに、電力会社Con-Edisonは、電気自動車の充電拠点を料金原価に組み込む形で拡充する計画を示している。4億8千万ドルを電気料金に組み込むことを申請したようだ。電気料金のアップは僅かで済むとしている。その資金によって、全体で3万キロワット相当の充電設備が管内に設置できるらしい。64,000台の電気自動車を充電でき、蓄電設備としても機能して、再エネの変動を吸収できるようだ。料金原価に充電設備費を組み込むことにOKが出ることが前提になるが、これが認められれば他の州にも波及する可能性がある。

これらの計画がどれほど実現できるかに注目したい。