効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

ハワイで電気自動車利用による系統制御

2013年12月19日に、NEDOが米国と組んで、ハワイでスマートグリッドの実証試験を開始したと書いた。それを発展させた成果の報告内容が報じられている。実際に主体となるのは日立製作所だが、IT(情報技術)を使って太陽光や風力が生み出す不安定な電力を電気自動車(EV)に充電させることで、島内の電力を安定的に効率良く使うプロジェクトだ。ハワイ州2045年再生可能エネルギーの導入量を100%にする目標を掲げているだけに、日立の実験の成否に注目が集まっている。電気自動車(EV)200台を使っているが、風力や太陽光など再生可能エネルギーで生まれた電力を、ITを使って電力消費が少ない時間帯を予測して自動的にEVに充電し、電力消費の平準化を実現する仕組み。200台のEV利用者は車を使って帰宅した午後7〜8時に充電する例が多かった。しかし、その時間帯は太陽光発電の出力が低下することから、電力不足になる恐れがある。そのため、EVの充電時間を深夜から未明にシフトし、風力発電で自動的に対応できるようにした。この取り組みによって、マウイ島全体の電力網が安定的になるほか、夜に余りがちだった風力発電の有効活用につながった。さらに、個別の家庭にとっても、電気料金が安くなるメリットが生まれた。ハワイの電気料金は深夜が安いため、毎月の電気料金を安くできるからだ。この実証ではEVからの放電は行われていないようだが、発展系としてはいずれ電力消費が多い時間帯に停まっているEVから系統に電気を供給することも検討されるだろう。