効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■マイクロ水力発電

大阪市に本社があるベアリング(軸受け)大手のNTNは、タイヤの回転を支える「ハブベアリング」で世界1位、エンジンの動力をタイヤに伝える「ドライブシャフト」で同2位のシェアを持つ。中国景気の減速などで、連結売上高の約7割を占める自動車事業が振るわなかったのだが、それを補完するものとして、滑らかに回す技術を活用できるビジネスを開拓しようとしている。

その方針に沿ったものとして、18年7月に売電可能なマイクロ水力発電機を発売した。抵抗の少ない軸受けの生産技術などを応用した水車は、緩やかな流れでも発電する。落差ではなく水流の力でタービンを回すもので、1.6メートル/秒の流速で500ワットの発電ができる。同社の発表している性能チャートを見ると、流速が2メートル/秒あると1キロワットが出るようだ。並列、直列に設置することができるので、発電規模を増やすことが容易にできる。流れがあれば良いので、大規模な工事もいらず、農業用水路などでの利用を想定している。少し幅のある水路にかけた桁からぶら下げて、水路に水没させれば流速に応じた発電をしてくれる。

翼の直径が600ミリ(水深700ミリ以上)、900ミリ(水深1,000ミリ以上)、1300ミリ(水深1400ミリ以上)の三種類あり、水路の大きさに合わせて設置することができる。このくらいの大きさであれば、農業用水路などで取り付けられる場所は案外多いのではと思える。工場の排水路など利用できるところも多いだろう。全体のコストが安そうだし、系統に接続することができるので、これから意外に地産地消エネルギー普及に貢献するのではないかと感じている。農業用水の場合流速はあまり変動しないから、水撒きポンプの電源にも利用できる。蓄電池を補助的に使う必要はあるかも知れないが。