昨年の11月24日にここで、カリフォルニア州の大電力ガス事業PG&Eが、山火事の責任を問われていて破産するかも知れないと書いた。それが現実のものとなり、この1月14日、同社は破産法チャプター11に基づく破産申請を行った。破産法にはチャプター7とチャプター11があり、チャプター7の場合には業務が即座に停止されるのに対し、チャプター11の場合には、業務を継続しながら事業計画を再構築し、業務を継続できるようにできる。だが、同社の事業上の問題が、同社の高圧送電線に起因する山火事による死者他の損害を賠償するということであるため、電力の供給を止めないようにしながら事業を再構築することが実際にできるのかが問題となる。
カリフォルニア州は、山火事に対する補償対応として、同社が社債を発行して、それを、電気料金を大幅に上げることで消費者に負担させることを認めていたが、その方式が適用されるのは2017年迄に起きた山火事であり、2018年の山火事による被害対応としては適用されないものとなっているようだ。そのため、今後どのようにPG&Eが対応するかに関する事業計画が当局にどのように受け入れられるかによって、同社の経営形態は、分割も含めて大きく変わることになる。それがどのようなものであるにしろ、電気料金は11%以上上がることになるのは確かだと言われている。
また、同社が発電事業者、特に再エネ発電事業者への購入契約に基づく支払いが、多くの従業員を減らすために支払手続きが遅れ、倒産の連鎖を生むことも心配されている。また、同様の山火事が将来起きないようにするために、高圧送電線を地中に配線することも言われている他、同社を解体してコミュニティーが運営する発電事業の集合体に再編成する、あるいは、州が運営するようにすることもあるとされている。
2001年にも同社は破産法チャプター11を申請して救済されているが、今回のものは影響を受ける当事者が多岐にわたるために、どのような結末になるかが注目されているようさ。