効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■太陽光発電に起因する火災

太陽光発電設備で屋根にのっているパネルは、幾つかのモジュールをつなぎあわせている。つなぎ合わせは必ず接続不良が起きるし、そこが発熱することもある。それが火災の原因になるのではないかと以前から思っていたが、これまで言われてきたのは、風で飛ばされる被害等しかなかった。だが、このほど、パネルが原因の火災について、消費者庁の安全調査委員会(消費者事故調)は、老朽化などが背景にあるとして、国に対し、点検の実施をメーカーに促すよう求める報告書をまとめたと報じられている。もっと早く出されても良い警告だと思う。

家庭用の太陽光発電システムから火や煙が出たといった事故は、平成29年11月までの9年間に全国で127件報告されていて、消費者事故調は、調査が進んでいなかったこのうちの72件を調べている。59件は「パワーコンディショナー」と呼ばれる装置などから出火していて、使用中に中に水が入るなど、取り付け時の不備が主な原因とみられることが分かったとのこと。ということは大半がパネル以外の部分で起きているということになる。コンディショナーは普通室内に設置される通常の電気設備だから、不良による発熱は当然起きる。また耐用年数も10年ほどだから、寿命の長いパネルを継続して使う場合、パワコンを取り換えることになる場合が多い。

太陽光パネルやケーブルの火災も13件あり、このうち5件は設置から7年以上たったパネルから出火していたほか、ケーブルが挟まっているなど、不適切な設置方法が原因とみられるケースも6件。太陽光パネルの火災は、パネルと屋根の間に延焼を防ぐ部材が挟まれていないケースも多く、深刻な被害につながる危険性が大きいとしている。この部分は施行後点検することは想定されていないために、火災となった可能性も高い。

太陽光発電協会によると、家庭用の太陽光発電の設置件数は、平成21年度の55万件余りから、4年後の平成25年度には170万件近くに達した一方、このころの設備が今後、次々と設置から10年を迎えることになる。これだけの件数があるのだから、火災になったのは不運としか言いようがないかもしれない。逆にこの報告によって、点検業者が暗躍する可能性もある。