ホンダがブラジルで風力発電を2014年9月に稼動させ、ブラジルで自動車を年間約14万台生産するのに必要な電力を全て賄えると今日の日経夕刊で知った。報道記事では、必要な約9万5千メガワットを賄えるとしているが、これはメガワット時の誤りだろう。二酸化炭素(CO2)の排出量は、自動車工場での約3割に相当する年2200万トン以上減らせる見通しだという。ホンダエナジー社がドスル州シャングリラ市にタービン9基を導入した。支柱の高さは94メートルで、長さ55メートルの3本の羽根で風を受けるという。同社の資料では一基3千キロワットのようだから、2万7千キロワットの規模。発電した電気はいったん送電網に乗せて、シャングリラ市の約1千キロ北に位置する自動車工場のあるスマレ市(サンパウロ州)近郊で受け取ると報道記事では説明されているが、この風力発電からの電力が物理的にそのまま送られるのではないから、その近辺の発電所と需要の組み合わせで、出力変動を吸収しているはずだ。自動車生産工場の電力消費のパターンと風力発電の出力パターンは異なるから、送電網の管理の難度がいくらか上がることになるだろう。ホンダは全世界で販売する製品のCO2排出量を2020年までに2000年比で30%低減するという目標を定めており、その一環となるプロジェクトとなる。このような発電と消費を対にした再生可能エネルギーの拡大は、Googleなどが推進しているように、世界で実施されるようになるだろう。