効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■途上国の再エネ発電が化石燃料による発電を凌駕

エネルギー関連のリサーチ会社Bloomberg NEFの発表によると、発展途上国に設置された再生可能エネルギーによる発電規模が一昨年初めて化石燃料による発電規模を上回ったということだ。これは先進諸国に先駆けた実績となるとのこと。途上国で2017年に新設された風力と太陽光による発電規模は、全体の新設規模186ギガワットの半分を上回ったという。また、先進国を上回るクリーン電力を設置し、先進国では63GWであったのが、途上国では114GWであった。

10年前であれば、途上国の再エネ発電は、豊かな国のそれに比べて非常に少なかったのだが、ここ数年が一つの転機になっていることを示している。途上国の多くは自然エネルギーが豊富にあり、設備コストが急速に下がったことから、化石燃料による発電よりも発電コストが安くなっているということらしい。途上国が再エネ発電をすることはコスト高になるから着手すべきではないとされた状況が一変したということだ。一昨年の途上国での石炭火力新設量は2006年以来の最低となり、2017年にはその一年前から38%低い48ギガワットの実績となっている。これは2015年のピークの半分に相当する。

さらに、2016年に比べて途上国ではクリーエネルギーの新設が20%増であったの対し、先進国では0.4%のダウンという数字もある。そして、再エネへの投資も途上国向けのものが増えているようだ。途上国に於ける再エネのコストメリットが大きくなっている。これには、途上国政府のエネルギー政策が再エネ重視の方向に変わったことも推進力になっているとのこと。