エネルギーリサーチ会社のレポートに極めて興味を惹かれるチャートを見た。太陽光発電設備のMW当たり新規設備コストが、2010年には風力発電のそれの2倍以上していたのが、今年に入って、これまで横這いできた風力発電のコストを僅かだが下回ったというものだ。2016年をまとめると、太陽光発電の新規設置容量は風力発電のそれと同じになりそうだという予測も出している。これまでは風力の方が常に多かった。特にこの傾向を推進しているのが中国やインドといった急成長をしている途上国だ。世界の状況を見ると、今年は再生可能エネルギーによる発電設備の設置が化石燃料のものを上回るようで、これまでの傾向を切り替える年になるとしている。
先進国では電力需要が横這いであるために、必ずしもこのような状況にはならないかも知れないが、途上国では再エネによる発電が優位に立つようだ。だが、系統接続時の制御について、途上国であっても技術開発を進めなければ、無制限に設備増加を継続することはできないだろう。太陽について言えば、蓄電池と組み合わせたマイクログリッドが優位性を発揮することになるだろう。