効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

■中国が持つ技術の高さ

中国の無人探査機「嫦娥4号」が3日午前(日本時間同)、世界で初めて月の裏側への軟着陸に成功した。着陸後に撮影した画像の地球への送信にも成功し、今後、鉱物資源などを調査するということだ。月の裏側は地球と直接通信ができないため、中国は中継衛星も打ち上げて準備を進めてきた。中国は2013年に無人探査機「嫦娥3号」で月面着陸を果たしており、習指導部は独自の宇宙ステーション建設や火星探査も目指している。宇宙関連技術を軍事にも応用するとみられると報じられている。

いま米国のトランプ政権は中国を名指しで、米国などで開発された技術を盗んでいると非難し、それに対する報復措置を打ち出している。そのような技術盗用があるという側面はあるだろうが、盗んだ技術を使えるプラットフォームを持ち、その技術をさらに向上させ応用する力がなければ、今回のような月の裏側への軟着陸など実現できないだろう。

同じことが中国のエネルギー技術にも言えると思う。いまや中国は原子力発電から自然エネルギーの利用技術まで、世界の先頭を走っていると言える。それには、中国のエネルギー需要が急速に伸びているのに対応するだけの化石燃料資源を国内に持っていないという、安全保障に関わる課題を抱えているのを乗り越えようと一丸となった開発を進めてきた結果だろう。国土が広いために、再エネが急増した送電線の制御についても、独自の方式を開発しているようだ。

日本はエネルギーの分野では技術大国とうぬぼれているように思える。中国の方が遙かに進んだ利用技術を開発しているはずだ。それも安物の技術ではなく、海外の先進国にも輸出できるほどのレベルのものを多く開発してきている。変動する再エネ電力の制御、直流送電技術など、海外から学んだ、あるいは輸入した技術ではあるが、その利用技術は他国の追随を許さないレベルに来ていると思える。

日本が今後このような中国とどのように対応すべきかよく考えておく必要がある。