効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

*米カナダ石油パイプライン建設 米地裁、差し止め命令

カナダから米メキシコ湾に原油を運ぶ「キーストーンXLパイプライン」について、米国のオバマ前大統領時代に環境保護を重視し建設申請を却下していたものを、トランプ米大統領が一転、承認していたが、モンタナ州の連邦地方裁判所は8日、追加の環境評価が終わるまで建設を差し止める命令を出した。石油、石炭産業を守ろうとするトランプ大統領にとって、今回の中間選挙で下院議員の過半数民主党に奪回された直後のことだけに、大きな痛手になる可能性がある。

トランプ政権は発足直後の2017年3月に建設を承認したが、環境保護団体が米政府を相手取って建設をやめるよう訴訟を起こしていた。地裁は連邦法が求める環境評価を米連邦政府がまだ十分に実施していないと指摘。米政府に対して原油漏れや温暖化ガス排出などをより考慮してさらに詳細な環境評価に取り組むよう求めた。地球温暖化などないという表現までしたトランプ大統領はこれにどういう対応をするだろうか。

これと直接的に関係するわけではないが、イランへの核兵器を巡る制裁として、トランプ大統領は、イラン原油を購入する国に制裁を課すとしているが、それとの関連も出てくるかも知れない。米国が輸出するLNGについて、イラン石油輸入を日本が継続するとした場合、日本へのLNG輸出の認可を取り消すような動きをする可能性もあるからだ。LNGを梃子にして日本を恫喝しないとも限らない。LNGの輸入を増やしている中国との関連もある。

日本政府は、日米関係は良好だとしているが、いつ豹変するかも分からないトランプ大統領の動向をよく見て、先手を打った対応をしておく必要があるだろう。