効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

燃料電池機関車

昔日本の鉄道総研を見学したときに、燃料電池で走る列車のテストを見たことがある。その後どうなったかと思っていたら、ドイツでディーゼル機関車に代えて燃料電池で走る列車が16日から営業運転に入るという報道がされているのを知った。日本では燃料電池自動車や船舶の開発が進められていると理解していたが、ドイツが鉄道で実用化したというのは驚きだ。鉄道車両大手の仏アルストムは独北部ザルツギッターの工場で、16日に営業運転する燃料電池列車を製造した。青い車両の外装には水素を表す「H2」の文字がある。これから見ると、フランスとドイツが技術を持ち寄ったとも考えられる。欧州でも米国でも長距離路線は電化していないものが多く、ディーゼルエンジンで直接あるいは発電して走っている列車が多い。これを燃料電池に置き換えたのだが、燃料である水素の貯蔵についても、自動車のように重量や燃料補給に制約が少ないだろう。そして、急速に増加する風力や太陽光発電で水素を作るのは技術的には確立していて、残るのはコストだけになる。
ハノーバー近郊の地域鉄道路線を走る14編成のうち2編成が燃料電池列車となり、21年にはすべて置き換えるということだ。最高時速140キロメートル、走行距離1千キロメートルとディーゼル列車と同等。価格は「1〜2割前後高い」が、10年前後で回収できるという。コストの問題も克服できたと言うことだ。アルストムが開発に着手したのは2014年。わずか4年で商用化できたのは独政府の後押しが大きかったという。これは世界規模の商品になる可能性がある。世界の鉄道が市場になるからだ。報道では、燃料電池列車については鉄道総合技術研究所が2001年から開発するが実用化に至っていないとしているが、国内にその市場が大きくなかったのだろう。