効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

自家発電の力

北海道全域の節電目標も少し緩和されたようだが、自家発電設備を持つ北海道内の工場が全道の電力供給を支えている。北海道電力によると現状の電力供給力353万キロワットのうち、中規模の火力発電所に匹敵する計50万キロワット分を他企業の自家発が提供している。工場の中には生産を止めて電力供給に専念しているところもあるという。北電は自家発電を持つ道内大型工場と個別に電力の購入契約を結んでいる。通常、各企業は発電した電気をまず自社で消費し、余剰分を北電に売電しているが、緊急事態の現在は節電策を併用して売電量を増やしてもらったり、工場が稼働していなくても自家発電だけは動かしてもらったりする緊急措置をとっているとのことだ。大型の自家発電設備がこのような機能を果たすことは予想されたことだが、今回の大停電によって、家庭用のエネファームや業務用の自家発電などの発電設備も見直されたかも知れない。エネファームは、系統が停電すると停止するようになっていたが、東日本大震災後の計画停電を機に、停電すると自立運転することが出来るようになっている。太陽光発電についても、同様のことが出来るようになっているところも多いはずで、これに蓄電池が併用されていれば、使える電力量は制限されるが、最低限の電気は確保できる。このような自家発電を地域に集中して制御すれば、地域単位に停電しにくいシステムが構築できるだろう。これは簡単な話ではないが、地域のエネルギー供給の安定性の確保に向けて、構築に事業性が生まれてきたのではないだろうか。集中大型発電の問題点を社会が認識した今、地域エネルギーシステムを構築する良い機会が生まれたのではないかと思う。資金的な問題はあるだろうが、エネルギー安全保障確保の財源を政府が準備する時代に入ったことは確かだろう。