効エネルギー日記

エネルギーの効率的利用を中心に、自分の考えを述べる。

電力会社の他社領域への参入

関西電力中部電力が首都圏に電力を供給する体制を構築しているが、このほど、東京電力が10月から、家電量販最大手ヤマダ電機の関西と中部地方の62店舗に電力を供給すると報じられた。東電が首都圏以外で電力を販売するのは初めて。関西などで地元の電力大手より数%安い料金で乗り換えを促し、10年後に首都圏以外で1700億円の売上高を目指すという。現在の電力市場自由化の制度でも、50キロワットを超えるものについては可能であるが、今年に入って電力会社の越境が急に進展し始めた。供給区域の垣根を越えた電力会社の競争が本格的に始まる。東電のヤマダ電機との契約電力は1万9千キロワットで大規模工場10カ所分に相当する大口契約となる。電力使用量は合計5千万キロワット時と、一般家庭の1万5千世帯分に相当する。東電は各地域で民間企業の自家発電設備の余剰電力などを安価に調達し、各地の電力会社の送電線を使い利用者に供給することになる。2016年には家庭向けも含め全面自由化が予定される。東電は福島第1原子力発電所の事故以降、経営の立て直しが急務で、旧来のすみ分けを越えた収益拡大を進めることを決断したようだ。